一度信用をなくした会社でも誠心誠意信頼回復に努めることで社会に許されます。
テレビの報道などの映像を見て、疑問を持ったことがあります。
何かの不祥事や事故を起こしてしまった企業が、再発の防止、被害者の救済、原状の回復、処罰、
信頼の回復などの行動が同時進行、または順番に進められていくことは、
これまでの事例を見ているとわかります。
また、記者会見の報道を見ていると、不祥事や事故を起こしてしまった企業の社長として、
その総責任者でありながらも、継続的に事件や事故の原因究明の指揮を執る必要性から、
退任しないことを表明される方もいます。
そして、その後の経過を注意深く追っていると、実際に問題の原因や再発防止策が明確化されるとともに、
被害者の救済やその方向性が決まるまで直接指揮を執った後、
問題解決の目処がたったタイミングで退任される社長がいらっしゃいます。
そういった社長とは違って、なにも責任を感じていないかのような方も見受けます。
不祥事や事故を起こしてしまった会社の責任の取り方に疑問を感じてしまう理由
不祥事を起こしてしまった会社の責任の取り方に疑問を感じてしまう理由を考えてみました。
ただ、社長が退任するということは表面上変わらなくても、
それによる不信感の払拭が出来たかどうかによる差は大きいようです。
一方では、不祥事の内容によって受ける印象が異なることもわかります。
例をあげると、横領、粉飾、不正取引、贈賄、事故、脱税、賄賂、情報漏洩、
などがすぐに思い当たります。
また、パワハラやセクハラ、残業代未払い問題など、
社内環境や労務に関係する問題なども思い浮かびます。
しかし、企業が行う謝罪や責任の取り方に疑問を感じてしまう場合には、
それ以外の要素も多く含まれます。
それは対応の不誠実さが感じられる場合です。
保身のために責任逃れをしていることが、その言葉や行動から、
その人の人間性までもが透けて見えてしまっている場合です。
社長が辞めても経営体制(取締役)が変わっていない、またはその逆で、責任は取締役が
背負って社長はその地位に居座っている、
いわゆるトカゲの尻尾切りになってしまっている場合です。
そんな印象の会見映像を目にすることがあります。
そういった場合には、自分には関係がない場合でも、
正義感からか、とても憤りを感じてしまう場合が少なくありません。
社長交代と取締役交代による責任の所在の明確化と再発防止策の透明性の担保
社長交代と取締役交代による責任の所在の明確化と再発防止策の透明性の担保、
それらが社会に誠心誠意信頼回復に努めるということが伝わっていない場合に私達は憤りを感じてしまいます。
言葉を変えると、企業や経営社の信頼の回復につながっていないからです。
そういったことから信頼できない会社と、感じてしまうのです。
それは、企業にとってはたいへん重要な危機管理的要素です。
信頼の回復によってのみ社長の交代も信頼されて、企業は社会から許されます。
それは企業の透明性や信頼回復に必要な情報開示という背景があってこそ手に入れられるものです。